口唇口蓋裂Blog⑧ 出産
今回は出産の記録です。
前記事はこちらからどうぞ。
出産予定日の5日前。
ついにその時がきました。
その日は主人も休みだったのでお腹に向かって「パパが休みの日に生まれてきてね〜」と話しかけていましたが、本当にその通りになるとは。でも意外とお腹の子にいつがいいってお願いしとくとその日にしてくれたって話よく聞きますよね。お腹でちゃんと話を聞いててくれていたのかな。
朝起きると異変が。
あれ?尿もれ?でもなんか多い気がする、、これは下着取り替えなきゃレベル。早くトイレ!と思ってトイレに行きました。
でも破水なんてしたことないからどんなものか分からない。けどトイレで用を済ませた後もまた?という感じで水が出てくるのです。
これはおしっこじゃない!!
とりあえず母親に電話したら、それは破水だから病院に連絡いれてはやく病院行きなさいと言われたのですぐに電話。
出産予定日の病院は家から徒歩3分もかからない距離。妊娠してなかったら1分くらいで着く距離だったので歩いて行くことに。
でも破水すると本当にずーっつ大量に羊水が出てくるのかすごいですね。夜用ナプキンでも病院まで耐えられそうにありませんでした。
夜用ナプキン二枚重ねしてさらに畳んだバスタオルを股に挟んで妊婦用のスパッツをはいて行きました。陣痛はないのでまだまだ元気で主人とヘラヘラしていました。
病院につくとすぐに内診してくれて破水と確認。そこからは車椅子で病室へ向かいます。
恐怖の陣痛室へ。
そこではもう1人の妊婦さんがいて私より少し早く陣痛が進んでいる感じでした。
お昼がだされるまではそんなに辛くもなく、少し生理痛がきたかな?くらいで、これなら大丈夫かもと馬鹿な私は余裕と思っていました。
正午には規則的に陣痛がきて少ししんどくなってきてお昼が食べれない。主人が食べました。
彼は一緒に来たのはいいもののずっとスマホゲームばかり。。イライラする。
母親が見舞いに。頑張ってね!!と言ってすぐ帰ってしまいました。主人に気をつかったのだろう。
いよいよ辛くなる陣痛。
耐えられずなんどもナースコールを押しました。
看「どうしましたか?」
私「死ぬほど痛いです」
看「では子宮口がどれだけ開いてるか見せてくださいね」
看「まだ◯センチなのでまだまだかな」
私「でももう無理なんです。帝王切開にしてください」
看「でもね、今お産はすっごい順調に進んでいるの。帝王切開はその後がすっごく大変だよ。もう少しだから頑張ろう?」
一度は了承して頑張るものの、その後も痛すぎて何度もナースコールを押し、同じくだりを2、3回やりました。。
最終的には押しても来てくれなかった。笑
廊下から看護師の会話で「◯さん、さっき子宮口確認したばかりだから大丈夫ですよ〜」と聞こえました。。呼びすぎたのかもしれないけど初めてで痛みが異常か分からなくて辛すぎたんです。この無視されてるナースコールが本当の異常があってのナースコールだったらどうするつもりなんだろう。今回は私が悪いけども!
終いには別の若い看護師に「うん。まずは陣痛をちゃんと知ろう。今痛くないよ」と言われ。
痛いよ!てめぇ産んだことあんのか?と思ったけどもう反抗する元気もなかった。
彼は最初は頑張って腰をさすってくれてたけど途中から明らかに力が入ってなくて、場所もずれてるし全然役に立たなかった。と言うか、さすってる最中にもう片方の手でスマホゲームしてた。なんなの。
陣痛椅子とかも使って見たけどもういろいろ無理になって来て、痛み逃しもできなくなって来て踏ん張ったらいけないけどそれすら我慢できなくなってきて主人に看護師さんを呼んできてもらうと子宮口全開。
歩いて分娩室へ移動。歩くの辛いというよりもベッドののぼりおりが辛かったです
。
分娩室にくると一応助産師さんが1人付いていてくれるから陣痛は辛いけど気持ち的にはすごく安心しました。
そしてなんだかざわざわして足になんかかぶせたり、足元に人が増えてきて主人が一言。
「ほら!なんかそれっぽくなってきたよ!」
それっぽくってなんだよ!と思いましたがもうすぐなんだと言うことは私も感じていたので希望の光が見え始めました。
ほんとに痛すぎて殺してって痛みだったので、この痛みから解放されるなら何でもする!!
すると先生が
「ちょっと裂けちゃてるから切るねー」
出産前はあんなのところを切開するなんて想像しただけで痛いし怖い!!と思っていましたが、全然痛くありませんでした。
あ、今「ジョキジョキ」って切られてる感覚はしっかりあるんだけど全然痛くない。
陣痛の痛みレベルが高すぎて他は何も感じませんでした。陣痛ってすごい。
いきんでいいよと言われていきむ。
いきんでいいって本当に楽。いきんじゃいけない方が痛みが地獄レベルでしたが、いきんでよくなると痛いことには変わりありませんがだいぶ楽になります。
目を開けて!って何回も注意されたっけ。
そして何回目だろう。
力ぬいて!って言われて手摺を持ってた手を外されました。
激痛。
頭が通っていたんだろうな。
その後によく聞くズリュン!!!っていう感覚。
愛しの我が子の誕生です。
顔みたけど写真沢山みてたから口唇裂には全然抵抗なかった。まだ目もほとんど開いてなくて土偶みたいな顔してて可愛くはなかったけど。笑
よくその後に旦那が涙をながして妻に「ありがとう」とかいうの聞くけどそんなの全然なかった。彼もなんかテンションがおかしくなってて生まれたね生まれたね!みたいなハイになってた。
あまりの疲労に足も震えが止まらず体を起こすこともできない私は彼に親への連絡と息子の写真を撮っておいてと頼みました。
でもこの日彼がとった写真は少なく、全ての写真が息子の顔は半分隠れていました。
彼は能天気に見えて、本当はこの時口唇口蓋裂を受け入れられていなかったんじゃないかなと思います。
私と違って、何回言っても写真もブログも病院の資料すらも見なかったから、予備知識が足りなかったのかなと今は思います。
でも直後は戸惑ったようでしたがすぐにメロメロになりましたよ!
出産にかかった時間は6時間。
初産にしては短い方と言われましたが本当に壮絶な痛みでした。。
そして人間の体って極限まで疲れると本当に動かないんだと思いました。1人ですぐ近くのトイレにいくこともできません。トイレも歯磨きも歩けなくて看護師さんに支えてもらいました。ベッドから身体を起こすのも辛いし、会陰切開が痛すぎて円形クッションでもだめで寝てるか正座しか無理でした。
もっと大変だった人も、もっと楽だった人も沢山いると思います。個々で全然違う出産だと思いますが本当に命がけで本当に壮絶だと思いました。
生まれた息子におめでとう。
この気持ちと一緒に自分の母親への感謝を改めて感じました。
そして15キロ増えた体重が出産したのに4キロしか減っていなかったという謎。